お風呂場のひと

時計の絵

中学生になると、霊現象に気づきやすくなった

小学校の時は、よほどおかしな事じゃないと気づかなかったのですが、中学生になると少し頭が良くなったのか、「これは変だぞ」と気づくようになりました。

小学生の時は、なにか起きても変だと思わないまだ子供な部分が頭の大半を占めているんだと思います。

そのまま受け止めてしまったり。

小学生から1歳大きくなっただけなので、あんまり変わってないと言えばかわってないのですが、ちょっとは『気づく』ようになったのと、記憶力が良くなったのだと思います。

wonder world's door
Wonder door with lots of gears

お風呂を出る時

 中学生の時のお風呂は、蛇口からお湯を出して貯めるタイプの、『追い炊き』などついていない淡いピンク色の浴槽で、壁は同系色のピンク色のタイル、窓はハンドルをクルクルするとブラインドみたいに何枚かのガラスが開くタイプでした。

 お湯がぬるくならないように極力熱いお湯を入れて、すぐ次の人が入らないとぬるくなってしまうので、うちの家族はみんな早風呂。
そして私は潔癖な部分があり、とにかくお湯は1番風呂の状態で入っていました。

 その日も、もうあったまったなぁ、出よう!と思って、お風呂からでて、お風呂と脱衣場の境をまたごうとした時でした。
 誰かが私の右足首を掴んだと同時に、小さな子供の声で「おねえちゃん」と浴室に響くような感じのささやきみたいなボリュームで、でもハッキリと呼び止められました。

掴んでいる手はガッチリと私の足首をつかんでいますが、大きい手ではない感じでした。 

手を放して

 右足を後ろから掴まれたので、右足を脱衣所へ1歩踏み出すことが出来ません。
ただ、もうお風呂は終わって、早く扇風機に当たりたいのでイラッとしてしまい、
「放して!」と心で思いながら、右足をバタ足のように1回振りました。

すると手はすぐに放れました。なので後ろを振り向かないようにして、そのまま脱衣所へ入り後ろ手でドアをバーン!と閉めてしまいました。

 体が温まって熱かったせいか不思議と怖くなく、誰に言うでもなく、この後も普通に過ごせましたが、この子供の霊はこの後しばらく私にちょっかいを出してきました。

child's hands reaching arms

部屋で勉強している時に

 中学生になると、勉強の範囲が広くなり、テストでも順位がきっちりつけられるので、マジメに部屋で勉強していました。

昭和60年に小1なので、59年に購入した勉強机を使っていました。
机の下の奥にハンドルがついていて、クルクルすると机が成長に合わせて高さが変えられるという、当時では活気的な奴です。懐かしいです。
中学1年の時に引っ越しをし、ひとりの部屋が持てたのもあり、この部屋と机で勉強したり、絵を書いたり、なかなか気に入っていました。

歴史と数学のテキストを持っていたので、それを午後の3時くらいにやっていました。この頃の私はサンリオのケロケロケロッピというキャラクターの3色ボールペンを持っていて、それのピンクで丸付けをするのが楽しいという素朴な理由から、テキストを一生懸命書いて埋めていました。
このボールペンはピンク、ライトグリーン、イエローという3色で構成されていて、間違った回答にライトグリーンで×印をつけ、間違った問題の出題されているところに黄色で☆印をつけます。この、採点結果でなく、「採点をする」というところが好きなので、眠くも何ともないのです。
サンリオ商品のインクのにおいも大好きでした。

床から人が

勉強といえるのかわかりませんが、この作業に夢中になっていると、突然だれかが私のひざから下に抱きついたのです。

「!!!!!」

生々しい感触です。

勉強中の人
床から生えた人と勉強中の私

ひざから下に、抱きついているひとの胸やお腹の感触、腕の感触がはっきりとあります。両腕をぐるりと巻き付け、ぴったりと抱きつかれました。

この瞬間、私は机を右手で押して椅子を後ろへ滑らせ、バッと部屋から走って逃げだしました。

逃げる瞬間はこいつの姿は見えませんでしたが、お風呂で足首をつかんできたヤツだ!と感じました。

「ママー!ママー!」

恐怖からかなりの大声で母を呼びました。
自営業をしていたので、母が1階にいます。

なんなのかわからない

母に言いましたが、

「えー?!なに言ってるのかわかんない!」

と、まるっきり相手にされませんでした。

そうですよね・・・ 自分でもよくわかりません。
でも後からよく考えると、床から人が生えていたとしか考えられない所から抱きつかれたのです。わぁ・・・気持ち悪い。
そして逃げる前の生々しい感触と、瞬間的に思い浮かんだヤツの存在。
お風呂で振り返らなかったから、ちょっかいを出してきたのでしょうか。

明るい時間に出てきたこいつ、暗くて怖い時間帯じゃなくてちょっとホッとした私でした。

時計の絵

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