林間学校
中学校で富士五湖へ
中学2年生の時、林間学校で富士五湖へ行きました。
私はこの林間学校へ行く前日に、自宅の階段から転げ落ちそうになり、足のスネが肉ごと削げる怪我をしました。
休もうか考えましたがやっぱり参加し、山登りもトレッキングも行って来れました。みんなでいつもと違うところに行くのは楽しかったです。

気持ちの悪いバンガロー
1日目の夜は、青木ヶ原樹海を2人1組で歩かされるという肝試し的なものをやりました。誰とペアになったのか覚えていないのですが、これは好きな人とペアだったらすっごい楽しいだろうなぁと思ったのを覚えています。
先生や、何故かお化け役にされた生徒は、誰かが歩いてくるまであの怖い青木ヶ原樹海で一人で待っていなければなりません。かわいそうだなぁ、あれはヤダなぁと思いました。
林間学校は、2泊3日なので、バンガローで2晩も寝ないといけません。なんだか気持ちの悪いバンガローで、とても嫌でした。足の怪我の包帯を巻きなおしたりして、1日目は疲れもあり、なんとか寝られました。
2日めの夜

2日目の夜はキャンプファイヤーがありました。
教頭先生が裸にシーツ、頭に草のツルを巻いて、
「私は神だ」
みたいな事をやったり、ふだん怖い先生もふざけて出し物をやってくれて、楽しくてみんな笑っていました。
男子と女子で踊ったり、ドキドキの催しもあったのですが、その後にあのバンガローでまた寝ないといけないと思うと、不安な気持ちでした。
とうとう寝る時間になってしまいましたが、やはり消灯後、なかなか寝付けません。
外は真っ暗で、早々に寝息を立てる友達がうらやましく、早く朝になれ、と思いました。
しばらく、一緒に起きて話してくれていた友達が寝てしまうと、本格的につまらなくなりました。
真っ暗で、本も読めないし暇つぶしの材料がありません。
外に出ても何もありませんし、先生に見つかって怒られたくないので、ただ、ゴロゴロゴロゴロするしか他ありません。野外活動なのでお風呂無しの2日目なのも嫌で、溜息です。
そんな状況でいると、なにかブツブツ聞こえてきました。
誰か寝言を言ってる・・・(笑)誰だろう、明日この話をしてあげたいからよく聞こう・・・と思い、耳を澄ませると、それは男の声でした。
えっ・・・
なにかよく聞こえませんが、確かに何か言っています。
「・・・・・・・・~だったのに!」
とか、
「・・・・・・・・・・・・・ちきしょう!」
みたいな事を言っています。
えっ・・・ 怖い怖い。
バンガローの構造上、1軒1軒が離れています。
床下だって空洞だし、隣のバンガローまで距離もある。おかしい。通りかかるにも一般道からだいぶ離れた湖沿いで、まず人がたまたま通るような場所でもありません。
やだやだやだやだ、誰か起きて。
声はえんえんと続きます。
確実にこのバンガローに誰かいる。
私は目をギュッとつぶって、我慢できるだけ我慢しました。
とにかく必ず、朝は来るから、それまで知らんぷりしよう!と考えました。その男は、ずっと何かブツブツ言っていました。
翌朝
いつの間にか眠っていたようでした。
みんながおはよう。と言っているのを聞いて、ああ朝が来た、良かった!と思いました。
このバンガローめ、怖かった。早く帰りたいので支度をしました。
朝ご飯を食べ、湖畔で先生の朝礼があり、荷物をバスに乗せる時間になりました。
私はいち早く走ってバンガローに行き、荷物を持ってバスに運びました。
早く帰りたいのに、先生たちもなにかやっていて、すぐにバスが出る雰囲気ではありませんでした。
ゆうべの男のブツブツ文句みたいなののせいで、よく寝れなかったなぁ・・・と、ひとり離れたところで座っていると、違うバンガローだったMちゃんが来ました。
「ひとりでどうしたぁ?」
と声を掛けてくれたので、昨夜の出来事を話すと、
「こっわ。どのバンガロー?」
と聞かれ、仕方なく案内することになりました。
「ここだよ。」
と言うと、Mちゃんはバンガローのドアを開けてちらっと見た後、バンガローのまわりを見に行きました。
はやくバス出発しないかなぁ・・・そう思っていると、
「わーー!やばい!ちょっときて!」
Mちゃんが私を呼びました。
バンガローの湖側にいたMちゃんが、地面を指さしています。見ると、男性物の黒い革靴が土や砂でよごれ枯草にうずもれています。
靴はそろえて湖のほうをむいています。
「え、なんかコレ・・・」
さらにMちゃんがバンガローの軒先を指差しました。
なんとロープが吊る下がっていました。
もう、首吊り自殺の跡にしかみえません。
「うわっ・・・」
急に昨夜の男のブツブツ言っていたのを思い出し、
「Mちゃん逃げよう!」
と私は走って逃げました。
Mちゃんは、見なかったことにしよう!と言い、お互いのバスに乗り込みました。
1992年の出来事です。
当時、特殊清掃ってされてないんでしょうか・・・
あの靴やロープは一体、夜中の声と関係はあったのでしょうか・・・