イギリスの家

留学した時の話です

London bridge river
London bridge river

留学とは名ばかりで、毎日パブでビールを飲んでいた頃のお話しです。
当時のイギリスのイメージは、ひとこと『寒い』です。
とにかく寒くで、9月になれば耳がちぎれるんじゃないかというほど寒くてびっくりしました。


私がお世話になったホストファミリーは、お父さん・お母さん・小学生の息子2人という4人家族の家でした。

家は5LDKで、かなり古いけれど素敵な家でした。
日本みたいに家電が全然ハイテクじゃないのに、セキュリティ対策がすごくて驚きました。窓は沢山あるのに、実際にまともに開くのはバスルームの小さな窓だけで、あとは全てほんの少ししか開かないようになっていました。

家を出る時も、セキュリティ番号を打つところがあり、番号を打ったら設定された秒数以内で出かけないと玄関や裏口など1階の出入り口はロックがかかってしまいます。
なので、朝はお母さんが
「みんな、忘れ物無い?大丈夫?本当に大丈夫?」
と全員に確かめてから、セキュリティ番号を打ってから一斉に出かけていました。
これなら泥棒は本当に入りにくいし安全だと思いました。

こんなに厳重ってことは結構、危険な泥棒がいるんだな、日本の私の田舎にはこんな厳重なセキュリティの家はありませんでしたので改めて、私が産まれた国は安全だったんだなぁと感じました。

風邪をひいた

flu cogh
flu cogh

ある日、一緒に住んでいた子供のうち、下の8歳の男の子が真っ青で具合が悪そうな日がありました。
あれ?大丈夫かな?と夕食の時に顔色を見て思いました。
そんな日にたまたまお母さんは仕事で家にいませんでした。
お母さんは翻訳の仕事をしていて、本を出版したりしていて忙しそうでした。
なのでその日の夕飯はお父さんが冷凍カレーをチンしたりしたごはんでした。
下の子供が、真っ青な顔で咳をしており、私はお父さんに
「ちょっと具合が悪そうだから、おなかに優しいものにしたらどうか」
というと、
「具合が悪いときにはエネルギーが必要なんだ!さぁ食べろ」
と子供の口にスプーンを運びカレーを食べさせてしまいました。
うひょー。日本ならお粥だぜ・・・かわいそうだなぁ。胃が気持ち悪くなっちゃうなぁ。 翌日私も同じ咳をし始め、風邪がうつったようです。

お母さんに病院に連れていってもらいましたが、経験上これはインフルエンザな感じがしました。インド人ぽいドクターが診察してくれましたが、のどをみて普通の風邪。と言われ、検査をお願いしましたが、みてもらえませんでした。大げさだと言われ、泣く泣く何日か部屋で寝ていないといけなくなりました。

留守番

「じゃあ、寝てて。」
と家族が出かけると、もう暇です。
風邪で休むも、朝と晩に体調が悪くなるので日中どんなに良くなったと感じても横になっていました。

この頃は携帯電話は、iモード・EZウェブなどがやっと発売になった位なので、現在のようにYoutubeを見たりインターネットがサクッと見られることは無く、本を読んだりTVを見たりが関の山でした。

本も読み飽きるし、M‐TVも飽きてしまい、ベッドにお菓子を持ってこようかなと考えだした午前です。

廊下を急に走り回る足音がします。
うちにいる子供より、小さい3歳から5歳くらいの子供の歩幅です。
前述した通り、セキュリティーの観点から、何の物音も無く外部から人が侵入するのは困難です。しかも、小さな子供1人だけ。
おかしい。

重くてダルい体を起こし、そっとドアを開けましたが、たった今走っていたのに誰もいません。2階は4部屋とバスルームに、真ん中に1階へ下りる階段があります。
見渡して隠れるところもありません。

インフルで寝ぼけたのかも・・・ とベッドへもどると、すぐ走りまわる足音です。
この家は廊下もバスルームも全て絨毯がしいてあり、歩く音も静かなのですが、それでも大きな音でバタバタと走っているようです。

あまりにハッキリ聞こえるのと、自分が寝ていない事を確認して、もう1度、2階を見て回りました。誰もいません。
あぁ、本当にこういうヤツはどこの国にもいるし、昼間でも全然出てくるなぁ。と思いました。

家族の見解

家族のみんなが帰ってきて、ごはんの時間になりました。
子供は聞いて怖がるとかわいそうなので、大人にだけ言いました。
お父さんは、
「ゴースト!はっはっはっは!」
と言って親指を立てていました。
お母さんは、
「イギリスの家は古いから、いても変じゃないね!」
とそれだけでした。

恐怖動画のように、足を引っ張られたり、そういう事でもなければ別にOKの範囲か。と思い、それからはその足音が聞こえても、ふーん。と聞きながしながら過ごすようにしました。この『物音』に関して、日本でもイギリスでも何か、霊って、同じなんだなぁと思いました。

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