キャディの仕事
天候や季節により辛い・楽しいが左右される

キャディは、本当に適正が無いと無理な仕事です。
やってみてわかったのですが、キャディさん、本当に尊敬します。
凄いです。
難しいです。
仕事概要
・ボールの行方をお客さんに教える
・クラブを渡す
・コースの説明
・カートの運転
《日給》¥9,000~¥11,000
《勤務時間》7:30~14:30/8:30~15:30/7:30~16:30
《昇給》会社による
《福利厚生》研修期間が終われば教えてくれるのか?何も教えてくれない会社だった。
《賞与》正社員キャディには有/パート扱い(仕事内容同じ)には無
求められるスキル
・体力がある
・ゴルフのルール(改定多い)を覚えられる人
・当日のお客さんのクラブ(人によって15本以上持ってる)をすぐ覚えられる人(3~4人分を全て)
・目が良い人、ゴルフボールを目で見て落ちた先を伝えられる人
・ファー(ボールがコースから外れて他コースへ飛んだ時)すぐに大声で「ファーーーーーーーーーーーーー」と叫べる人
この仕事に向く人
・ゴルフが好き
・紫外線に当たる事など気にしない人
・短期記憶に優れた人(ゴルフクラブを人数分間違えないで受け渡し×18ホール)
・男性客相手に怖気づかない人(社長さんやお金持ちの集まりです)
・雨、嵐の中でも平気な人
・冬など雪でクローズ(ゴルフ出来ない状態)になる所では、お金もストップになりますので、他に収入源のある人(旦那さんがいる、積雪の間、他の仕事があるなど)
・とっさの判断が出来る人
この仕事の良い点・悪い点
良い点
①早い時間に始まり、早く帰れる上、給料が良い
②託児所のあるゴルフ場もある
③紳士のスポーツなので、そんなに滅多に物凄く怒るお客さんは見かけない
④天気や気候が良いと、とても気持ち良い
⑤運動不足を解消できる
⑥まれにお客様に見初められて富豪と結婚する人もいる
⑦美しいゴルフ場の季節の景色を楽しめる
⑧所属キャディが多い所だと、子供の用事などの調整が割と楽
⑨お客さんが1周まわった後に、まだ遊びたい(また9コース)場合、給料が増える
⑩お客さんと出発し、終われば、他のキャディと会わずにさっさと帰れる
悪い点
①教育係が無能だった場合、いつまでたっても何もわからない
②95%が未経験スタートなど求人にあるが、未経験からのキャディはきつい
③ゴルフをやったことも無い場合、覚える事が異常に多い
④イチから丁寧に教えます、ご安心くださいはアテにならない
⑤長く働けますと書かれていますが、膝が痛くなったり、紫外線で肌が荒れすぎている人も多い(健康な場合は働けますの意、だと思います)
シミ、たるみで年齢より老けて見える人が多かった印象です。
⑥カートに乗って移動してもOKだが、それを責め立てるようなキャディーもいて、コースに出る順番によってはカートに乗れない状態の時もあります。
⑦ファーと叫ばないといけないが、ボールを見ていなかった場合は大惨事
・コースとコースは林などを挟んで隣り合っており、お客さんが思わぬ方向に打ってしまう事もあります。18ホール全て頭に入っていないと、飛んだ先に人がいたら運わるくボールに当たって致命傷を負わせてしまいます。キャディーが「ファーーー」を叫んだかどうかで怪我・死亡保障がおりないこともあるそうです。
これは責任重大です。
うっかり目を離して違う仕事をしていて起きそうな事故だと感じました。
⑧正社員だと、積雪時に雪かきで給料が出たり、予約の少ない日でも仕事がありますが、パートだと雪かきに呼ばれない(会社によります)、予約の少ない日は仕事が無い、雨などでキャンセルになった場合も仕事が無くなったりします。

この仕事をしてみて
大変だった事を箇条書きにしてみます。
求人にかかれていない具体的な仕事内容を書きます。
キャディさんの仕事、どうかな?と考えている未経験の方のご参考になれば幸いです。
お客さんのクラブについて覚える事ありすぎ、恐怖を感じる
・お客さんはだいたい3~4人で来ますが、朝、初めてみたお客さんのゴルフクラブ(1人だいたい10本~多い人は16本など)を、全て覚えないといけない。
クラブを使う都度、カバーをしてと言うお客さんもいます。
朝、忘れないようにメモをしているうちからお客さんが来てしまうと不安でソワソワしました。
・全員が違うメーカーならまだ良いのに、4人中3人が同じメーカーで同じクラブを持ってるなどがある。渡し間違いはかなり辛辣な顔をされます。
カートにクラブを入れるバッグを人数分、積みますが、打ち終えた人のクラブを違うバッグに入れ間違ったりすると、本当に嫌な顔をされます。クラブは高いものですし、お客さんが良いプレーに専念したいのに、不安なキャディでは楽しめません。
ただ、未経験OKで入った仕事だった場合、見慣れないゴルフクラブを『これはこのお客さんの』だとか、見分けるのはとても大変です。ベテランキャディさんは『慣れ』の一言でしたが・・・
そもそも未経験OKなのは雇用する側で、お客さんはOKだとは思っていません。
スポーツなのでルールがある
・ゴルフのルールは多いです。
ゴルフダイジェスト(雑誌)など少し見ただけでも、わぁ~、覚えられるかな、と不安になります。
プレイ中に洗い物が出る
・ゴルフ場にもよるが、1打、お客さんが打つごとにゴルフクラブを水洗いをして、タオルで拭いてからバッグに戻す(土が付着する為)
・カートの後ろに水を入れたバケツがあります。洗っている間にもボールの行方を追わないといけません。ながら作業が多いです。
電動カートの操作
・当社は電動カートの為、運転しなくても大丈夫 など求人に書かれていますが、
とても危ないです。
ゴルフ場のコース内は平らなコースから起伏の多いコースがたくさんあります。
お客さんと歩きながら移動するのですが、お客さんが皆、歩いて林の中やそこらへんにいると思ってカートを目視して動かしても、それでも見えない角度でお客さんがカートの後ろのバッグから自分でゴルフクラブを選んだりしていて、転ばせそうになったりします。動いているカートの前を横切ってぶつかるお客さんもいます。それも注意しながら常に目線は打たれたボールを追っていないといけません。
ヤードという距離を覚える
・日本で生活している中で、聞きなれない単位です。
1ヤードは90cmです。
お客さんから、「いま何ヤード飛んだかな」など聞かれます。
もしくは、2打目を打つ時に、先の見えない「グリーンまで何ヤードか」、なども聞かれますので、コース内を覚える事もすごく大切です。
だいたいこれは50mかなと思ったら、50×0.9で45ヤード位ですと返事をします。
とんでもない林にボールが入って、OB(規定の外)になっていないときなど、何ヤードか考えている間にも、フェアウェイにいるせっかちなお仲間のお客さんはポンポンとボールを打ってしまいます。それも見ていないといけません。
先にいるグループとの距離を保つ
・お客さんの中には、ティーグラウンドに立つと、すぐ打ってしまう人がいます。
しかも、それがかなり飛距離を出す人だと、前のグループのカートにぶつけたり、悪いとそのパーティー中の人の中へ打ち込んだりします。
最悪、人間にゴルフボールをぶつけたりしてしまうと致命傷になりかねません。その場合「ファーーーーーーー」の掛け声をキャディが出さないと、保険も下りないという事もあるようなので、本当に危険です。年配の男性相手に、毅然と「まだ先のグループがいますのでお待ちください」と言える判断力が必要です。
ティーグラウンドで使用したティーを回収して渡す
・ティーとは、ゴルフボールをのせる小さな棒です。そのホールでの1打目を打つ時に使用します。
お客さんにもよりますが、ティーを18本無くしても良いという人と、ティーを毎回拾う人もいます。
手持ちのティーが無くなって、「キャディーさん、ティー切らしちゃった。持ってる?と言われたら拾った物から渡したりすると喜ばれます。(ルール的にどうなんだか知りませんが・・・)
グリーンで芝目を読んでお客さんに教える
・ゴルフ場での醍醐味のひとつ、最終の1打を決めたいところです。
カップと呼ばれる穴にゴルフボールを少ない打数で入れたいので、キャディは聞かれたら、ここは傾斜がどうなっていますとか、芝がこうなのでフックするように打ってくださいとか、言います。
ただ、ゴルフ場は管理の人達(ゴルフ場専門の庭師というのでしょうか)が、グリーンの傾斜や芝を変えているので、本当に難しいです。
まわりも山で、フェアウェイが下り坂だったりすると、グリーンはだまし絵のように造られています。
パッと見、これを打ったら右へいくような気がしても、左へこぼれたりするので、「ええぇぇぇ?」となります。
なので、わからないうちはお客さんに答えることすら出来ません。
ちょっと給料が良いワケです・・・。
大雨、霧でも営業する日
・大雨で、濃霧で、全然まわりが見えない日でも、営業します。
カッパ上下、先のホールを回るキャディ、後ろのホールを回るキャディと無線で今どの辺りなのか、連絡を取りながら安全確認して進みます。
風でカッパの頭があおられて、ワッとか言ってる間にボールの勢いや方向を見ていないとたいへんです。霧がすごくて林に入ったボールが見つからない事もあります。
接待やパーティーだとキレる人もいる
・接待されてる側が、打数が多かったりする事もあり、ブチ切れたお客さんがいました。クラブをグリーンに叩きつけ投げだし、めちゃくちゃ気まずかったです。
その後も機嫌が悪く、パフォーマンスも上がらず、最終ホールでは『何だコレ?』と思う位、横柄になり、他のお客さんもシーンとしていました。大人なのに・・・とビックリしてしまいました。
遠方からみえたお客さんのクラブを宅急便で送る
・ゴルフが終わっても気を抜けません。
お客さんのクラブをきれいにして(カバーなどもあればつける)バッグにしまいます。そのまま持ち帰りでも、宅急便でも、クラブの入れ間違いがあれクレームになってしまいます。お客さんにも迷惑をかけてしまいます。翌日からバリ島でゴルフなのに!とか、使い慣れたお気に入りだったりしたら、大変です。謝りきれません。
カートを洗う
・最後はカートの足回りなどをざーっと水洗いです。
この後は、カートの車庫に自分で運転してカートを充電します。
出番の無い日がある
・雨でキャンセルが出たり、台風や雪でクローズの時、お給料が発生しません。
他のキャディさんが、こんな日には当日の朝に連絡しても働かせてくれる工場があるからそちらに行って自分でなんとかしてる、と教えてくれました。
辞めた理由
①研修方法が、毎日、来る日も来る日も、様々なキャディさんのカートに乗せられて何の説明も無しに「見て覚えろ」と言われました。何の説明も無しです。
未経験者OK、イチから丁寧に教えます は嘘でした。
キャディさんだって、本当の未経験者を預けられたうえ、ボールを追ったり「ファーーー」をかけているのです。お客さんにも、研修中だからって失礼じゃないかなと思ってしまいました。プレイ中だと聞きたい時に聞けないし、聞かないとわからない事が多すぎて無理でした。
②しつこくこの仕事を勧誘してきた友人に、この研修方法だと私には理解するのが難しいと相談したら、「ゴルフをやった事無いなんて思わなかった」などと言われ、批難されました。やった事無いよ、と散々言ったにも関わらずです。この件で絶交となりました。
③研修を終えて出来るようになってからコースに独り立ちすると説明されていたにも関わらず、ボールを追う事や、ファーを掛ける判断も出来ていないのに、突然「じゃあ〇日から一人で出て」と言われました。こんな危ない状態で、どう考えてもマトモに出来ないだろうと判断したのでそう説明し、辞めました。
事故が起きてからあの時辞めれば良かったなでは遅いからです。
④研修中の半分の期間、50年に1度と言われるほどの大雪が降り、2か月ただルールブックを見るだけという日々でした。
2mほど雪が積もって、真っ白の景色では、コースのヤード感なども全く覚えられませんでした。
⑤大きな企業がやっている かなり有名なゴルフ場なのに、内情はこんな感じでした。パートから慣れたら正社員になれるかな?と思いましたが、その考えが甘かったです。
恐ろしいですね。前職は13年やっていましたが、ここはとても無理でした。
転職大大大失敗といった感じです。
感想
キャディさんはスゴイ!
尊敬しちゃいます。